iCab3の動作確認と問題点

iCab3は一部を除いて良い仕上がりかと思います。2008.1月にOS8.5以降で利用できる3.0.5、3月にはOSX10.5まで対応した4.1.1がリリースされてMacユーザーには心強い存在になっています。4シリーズはWebKit実装、3シリーズはOS9対応オリジナルエンジン、貴重なメンテナンスリリース版となりました。2.9.9まで改善されなかった表示崩れが起きたり起きなかったりという不安定動作も解消。起動から表示までソツなくこなす感じで、ストレスなく使えるブラウザに仕上がっています。DL速度もN7並。レンダリングはFxに似た印象で、OS8.5以降でタブ、RSSが使える点は実用価値大。セキュリティ面も安心感があります。


iCab3エラー

ただFlashプレーヤ未対応は痛いです。昨今のWeb環境を考えるとFlash未対応ブラウザをメインで使うのは無理。RSS対応などの実用性を持ち、OS9ユーザー必須ブラウザになる可能性充分なのに…と思い込んでいたら裏技がありました。iCabフォルダ内にPlug-insフォルダを作って、この中にFlashプレーヤのプラグインファイルを入れておくとFlash表示します(OS9.2.2はシステムフォルダ→Internet プラグイン内でOK)。

それと市松模様みたいな模様が出るトラブル。当環境ではCommand+N/Q操作で頻繁に再現します。一瞬見えるだけですが、一度出るとTCP/IPなどの設定画面に拡大。OS再起動しないと消えません。(以下、錯誤の記録)



iC3環境設定

メモリ増量は元々130MBなのでスルー。筆者は消去待ちがないキャッシュ0設定でN7を利用。iC3も同設定なので、環境設定→キャッシュ→ウェブページ→最大サイズ、ディスクに空きを確保を0から10MBに増量→再現。次はキャッシュ→画像のキャッシュ最大値を0から5120KBへ。模様は出にくくなるも改善せず。続けて15360KBに増量→ビンゴ! 模様出ません! と言いたいところですがCommand+Nだけで模様出ます。設定を色々調べてみると、画像のキャッシュ最大値を倍近くオーバーフローって……。

超過理由は不明ですが模様発生の主因はこの辺でしょう。キリがないので25600KB固定で検証続行(画像キャッシュはメモリキャッシュなので増量の影響なし)。試行錯誤もやり尽くしたところで、キャッシュ→ウェブページ→最大サイズ|ディスク空き確保を初期設定(30MB|10MB)に戻して、やっと模様頻発を解消しました。最大サイズを0MBに戻したら直後に模様が再現したので5MB以下でも模様発生しやすいようです。


しかし30MBの使用中キャッシュ消去時間は最短1分22秒(実測)。キャッシュ消去設定での実用は厳しいのでさらに探ると7MB|7MBが最低ラインの雰囲気。最大サイズとディスク空きの違い→最大サイズが普通のキャッシュサイズ、空き確保はメモリキャッシュと通常キャッシュ併用のイメージ(7MB→ページを読み込み時にキャッシュ書き込みのHDD動作音あり)、0MB→HDD動作音9割減(メモリキャッシュに処理が変わった感じ)。以上のことから画像のキャッシュ最大値25600KB、キャッシュ→ウェブページ→最大サイズ7MB|ディスク空き確保0MBを模様予防の基本設定としました。5MB以下の設定は消去時間計測中に模様再現。3MBでは読み込み前のキャッシュ消去や読み込み遅延が頻発したので、キャッシュ最大サイズ7〜30MB|ディスク空き確保0MBを推奨にしておきます。

その後のテストで30MB|0MB設定で模様再現。逆に9MB|0MBで安定動作する事もあったので、この辺が最低安定ラインと判断。このほかディスク空き確保に整数を入れる(9MB|1MBなど)、ディスク空きに10〜27MBを設定する(画像キャッシュ以上の割当て量)などもテストしましたが模様防止できず。ただ、画像キャッシュより大きい値をディスク空き確保に指定(最大サイズは0)する設定は他より模様が出にくい印象でした。キャッシュ消去時間がないというメリットもあるので、模様予防優先の方は画像キャッシュ最大値25600KB、キャッシュ最大サイズ0MB|ディスク空き確保24MB設定をお試しください。


これまで確認した模様発生プロセスは[画像キャッシュオーバーフロー→動作不安定→模様発生][Command+N/Qの連打→模様発生][アプリ起動/終了時→模様発生]の3つ。設定値を上げてもキャッシュはいずれオーバーフロー。Command+N/Q連打やアプリ起動時の模様発生も処置なしでしたが、画像キャッシュのオーバーフローは低減可能でした。アプリのメモリ割当て増量が画像キャッシュの超オーバーフローに関連しているようなので、割当てメモリと画像キャッシュ最大値統一を思いつきテストしたところ、設定値を大きく上回る状態を回避できました。

アプリのメモリ割当て32000k、画像のキャッシュ32000Kバイト設定。この状態でヤフオクなどを閲覧しながら使用中キャッシュをチェックしたところ、使用中:32037kバイト辺りが上限で、設定を大きく超える状態にはなりませんでした。さらにキャッシュ消去の「終了前に消去」にチェックを入れると再起動時の模様発生を多少低減できるようです。ただしCommand+N/Qなどで発生する模様の低減効果はありません。また、メモリ割当てとキャッシュ値統一は、キャッシュのオーバーフロー低減効果あるもオーバーするとより不安定になる傾向。その辺を見越して模様再現防止強化で割当てメモリ微増を繰り返し、現在はウェブページ→最大サイズ、ディスク空き確保と画像・履歴→画像キャッシュ最大値見直しで妥協点を探っています。


以上の設定を試して模様発生を抑えられないため、設定で問題解決は無理と判断。長々と設定を試してきた経緯を見ても模様の発生は不規則です。なので原点に戻ってシステムを見直すことにしました。定番の割当てメモリの増量です。といってもFinderなので普通に割当てメモリの変更できません(要ResEdit)。筆者のOS9.2.2環境はインターフェースをOSX/Tigerにカスタマイズしているので、表示のメモリ消費も大きいだろうと判断。既にメモリ割当てを使用15倍/最小10倍に変更済みでした。テストは割当てメモリ増量後に行ってきたのですが、挙動不審なところもあったので割当てメモリを最終的に使用30倍/最小60倍へ増量。これで模様はたいぶ低減しましたが、ワザとCommand+N/Q連打すれば模様再現します。ヤフオクなど画像の多いページを数時間閲覧しても模様が出まくることはないので(Kaleidoscopeのメニューフォント表示不良も改善)、最低実用レベルと判断しました。


環境設定まとめ:最終4
コンテンツ→プラグイン→プラグイン用予約メモリサイズ14MB
ウェブページ→最大サイズ:12MB、ディスク空き確保:30MB、キャッシュ消去:5分より古い場合
画像・履歴→画像キャッシュ最大値:12288K、履歴:最大20ページ、終了時に消去:無効
アプリ割当てメモリ:使用サイズ:93499K、最小サイズ:93499K
Finder割当てメモリ:使用サイズ:28170240bytes、最小サイズ:7864320bytes


このほか、文字関係で日本語の全角スペースを入れても半角英数程度のスペースしか表示しないので注意。3以降は日本語インライン入力対応という話ですが、検索窓入力→スペースキー変換→リターンキーで変換確定すると、そのまま検索実行されてしまいます。対策としてリターンキーの変わりに英数キーで変換確定を代用する方法を紹介してきましたが、(入力→スペースキー変換→)マウスクリックで変換確定がスマートなので、こちらを推奨します。

Yahoo!トップページなどで推奨ブラウザでない旨のアラートが出て表示が崩れる場合は、自称名をIE6.0に設定すると改善するとの書き込みを拝見。当環境のiCab3.05Jでも改善したのでMac Minor Tipsに加えておきます。環境設定→ネットワーク→自称名・自称名・プロクシ欄のブラウザ自称名/iCab+Mac、TextBrowser+Linux、IE6+WinNTなど11項目の中からIE6+WinNTを選びます。類似設定の環境設定→Inscript→自称名・設定を変更しても表示は改善しません。ちなみにフォント・言語設定で文字最小サイズを9に設定しておかないとhtml上[-2]で指定される9ポイント文字が正しく表示されない点、CSSのline-height指定を正しく解釈しない事も見落としがちなのでご注意を。

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